話のハナシ

小説と映画に対するのアウトプットです。

「わからない」を楽しむということと最近面白かった映画について

映画、文学では個人的には「わからないけど、なんかすごいものを体験した」ということを重視している。

 

こう言い切ってしまうと、かなり訳が分からない偏屈な人物であるという誤解を招くかもしれない。もちろんエンタメ性抜群のものも大好きだし、現実逃避には最適なものでもある。

 

新しいものに出会いたい、体感したいとなってくると「娯楽以外の何か」を求めるようになってくる。

 

新しいものをネット検索したり、ジャケットに惹かれたりしていくと、どんどん深みにはまっていくと実感しながらもその深みが楽しくなってくることもある。

 

そんな中で最も楽しいことは「わからなかった」という瞬間だ。

 

スノッブな、というお叱りを受けることは重々承知の上だけれども少数の手にしか触れられていない隠れた名作もあるとは思っている。そんなものに触れられた時にどんな風な感想を持つかということを大切にしている。

 

知った風な感想や誰かのレビューの受け売りで答えるよりも「何かわからなかったけど、すごかった」くらいの言葉で答えるということも1つなのではないでしょうか。

 

わからないからこそ調べる、新しいものに触れる、触れた後に再挑戦してみると意外と新しい発見や見方ができることがなかなか楽しい。

 

もちろん限られた時間の上なので、全部が全部そうできるとも限らない。幸いなことに映画、文学研究をしている身ではないので差し迫った締切もない。

 

現実の中では明確な答えを求められることが多いからこそ、何かわからないという感覚は大切にしておきたい。

それと共にわからないということをわからないと言える人間関係だけは築いておきたい。

 

ちなみに最後に最近見た映画で面白かったものは「アクロスザスパイダーバース」(2023)とフリッツラングの「メトロポリス」(1926)です。

 

どちらもよくわからないけど、すごいものです。興味があればぜひ。